このページでは三幕構成について説明します。
三幕構成とは、ハリウッドを始めとして、世界標準となっている構成法の一つです。
物語の基本がわかりやすい構成でもあります。知っておいて損はないです。
三幕構成の構造とは
三幕構成では、物語全体を3つに分割したわかりやすい構成です。
ですが、第二幕は前半と後半に分けて、全体を4つで区切るのが一般的です。
起承転結に例えると、第一幕が起、第二幕前半が承、第二幕後半が転、第三幕が結となります。
三幕構成で二時間の映画を作ろうとした場合、大体この様な比率になります
第一幕(問題発生 設定 動機)
第一幕では問題が発生し、なぜそれが問題なのか?
なぜ主人公はそれを解決しなくてはならないのか?
どの様な世界観なのか?
状況設定を説明します
読者を作品に引き込む大事な幕です。
第二幕(葛藤 対立)
ここでは問題を解決するための障害が発生します。
物理的なもの、精神的なもの、敵から、家族から、友人から、
色んな障害があり、主人公がそれを乗り越えていく姿を描きます。
さらに、問題の正体や原因と真正面から向き合う幕でもあります。
読者を飽きさせない展開を作り出さなくてはならない大事な幕です。
第三幕(結末 解決)
主人公は最大のピンチをむかえます。しかし、第一幕、第二幕で成長した主人公は、進化した考え方や体で、そのピンチを乗り越えます。
そして、第一幕で出た問題を解決し、日常へと帰っていきます。
戦いを終えた主人公は、宝を持って帰ります。その宝は精神的なものかも知れませんし、物体かも知れません。
この幕で失敗すると全てがだめになってしまう大切な幕です。
ヒーローズジャーニーは神話の法則を映画向けに手直ししたものです。
「神話の法則」(クリストファー・ボグラー著)
ハリウッドでも使われる物語の構成法で、三幕構成をより詳細に区切って、12のステージに分けています。
ヒーローズジャーニーや三幕構成は
盛り上がる場所が基本的に三回あります
盛り上がらない物語はつまらないものです。
読者は、感情の変化が欲しくて映画やマンガ、小説を観るのです。
どんな作品を作っても、感情が全く動かなければ、それは作品としての存在価値がないのと同じです。
作品を読んで、読者が感情を高ぶらせるのが盛り上がりです。
盛り上がりとはつまり、読者、観客の感情が高まることなのです。主人公の感情の高まりではないのです。
主人公のテンションを上げまくればいいというわけではありません。
盛り上がりとは加速である
車で走ってる状態を想像して下さい。盛り上がってない状態が時速30㎞、盛り上がった状態が時速100㎞だとします。
ずっと時速30㎞で走っていてもつまらないのはわかりきっています。
じゃあ高速道路に入り、時速100㎞出します。その速度のまま一時間走って下さい。
スピードを感じますか?ほとんどの人は慣れてしまって眠気すら感じるでしょう。
そう、どれだけ激しい戦闘も、スピード感あるレースも、熱いキスシーンも、
同じ勢いで続いていると、読者は慣れてしまうのです。
時速30㎞から、アクセルをべた踏みして、エンジンの轟音と振動を感じながら時速100㎞に達する。
この加速こそが、感情を高ぶらせる盛り上がりなのです。
なので、盛り上がる場面の前には、一度読者の感情を落ち着けてあげて、そこからアクセルを踏み、
加速という盛り上がりを感じさせてあげましょう。
ただ、落ち着けすぎて物語への興味を失わせないよう、
物語という車から降りれない程度のスピードを保つのが大事です。