アイデアこそ、作品の源です。
この章では、アイデアの出し方をまとめました。
アイデアが浮かびにくい人は、参考にしてください。
創作初心者は、どうしてもオリジナティ溢れるアイデアを作り出そうと
躍起になってしまいます。
しかし、どんなアイデアも、ゼロから産み出されるものはないと、
理解してください。
アイデアのほとんどは、既存のアイデアの組み合わせに過ぎないのです。
それを理解した上で、読み進めてください。
既存のアイデアを組み合わせる
基本です。好きな漫画や映画の、気に入った設定を持ってきて、
独自のアイデアへと昇華させましょう。
やり方としては、好きな設定を、書きまくり、
それから選んでいくという方法があります。
脳内でできるなら、それでもいいです。
二つである必要はありません。上手にまとめられるなら、幾つでもいいのです。
その設定が、物語に活かせるかどうか、物語が活かしてくれるかが鍵です。
無意識に捨てている設定を捨てずにとっておく
よくあるのが「浮かんだアイデアを無意識に捨てている」という状況です。
「このアイデアはダメだ、幼稚だ、」
「これは独創性がない、パクリだ」
「いつのまにか忘れた」
というように、せっかく浮かんだアイデアを捨ててしまっているのです。
そういう人はまず、浮かんだアイデアを、どんなアイデアでもいいので、
書きまくりましょう。できれば、同じ紙の上がいいです。
もちろん単体では役に立たないかもしれません。
しかし、書いた紙を俯瞰して見ることによって、
組み合わせる事ができると気づきます。
組み合わせによって、新しいアイデアが発想されるのです。
アイデアは、捨てずに、紙に書いてみましょう。
自分の世界から抜け出す。
「スランプの脱出方法」で詳しく書きましたが、
アイデアが浮かばない人は、自分の世界の中で
堂々巡りをしている人が多いです。
同じことを繰り返す日々に安心し、
その中から出ることを拒んでしまっています。
対処法としては、今まで読んだことのない本を読む。
新しいことにチャレンジする。新しい仕事をしてみる。
話したことのない人と話してみる。普段通らない道を通ってみる。
というように、自分の世界にとどまる癖を治すことが大事です。
ウォーキングなどの軽い運動をする
ウォーキングは、脳への血流をよくし、脳を活性化させます。
外に出て、風景を見ることによって、世界の広さを実感することもでき、
アイデアが無限にあることを知れます。
運動をしない人は、脳が凝り固まって、考えが狭くなってしまうのです。
ウォーキングをすることによって、アイデアが生み出されやすくなります。
コツとしては、息を荒げるような運動ではなく、
心地よい汗をかく程度の運動に留めることです。
疲れすぎる運動は、脳を進化させることには、効果がありますが、
アイデアを発想するには疲れすぎます。
脳が疲れすぎると、アイデアを得る前に、眠くなったり、
やる気がなくなるので注意です。
自分の人生を掘り下げる
自分の人生で
「楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、嬉しかったこと」
などの、感情が動いた事をリストにしていきます。
それがないなら、テレビや映画、ニュースで、
感情が動いた事を書いてください。
それらを解決するためにどうすればいいか?
どう解決したかを書いてみてください。
解決したことによって、どのような感情が浮かんだかも書いてみてください。
(例)
勉強が大嫌いで、いつもゲームばかりしていた。
勉強を始めても、全く集中できず、高校に落ちた。
がっかりしたし、親も悲しんだ。勉強すればよかったと後悔した。
<これを解決する物語を作るなら>
俺は、勉強嫌いで、いつもゲームばかりしていた。
しかし、通信対戦をキッカケに、ゲームの大会に出ることになった。
その大会では、予選落ちしたが、心に火がついた。
必死にゲームをして、実力をつけた。次は必ず優勝できる。
しかし、親が激怒し「偏差値50以下なら、一生ゲーム禁止」
と言い、俺からゲームを取りあげた。
俺は、必死に勉強し、偏差値55を取った。
そして、親から取り返したゲーム機で猛練習して、ゲーム大会で優勝した。
(例)
友達の家族が事故にあった。私は、友達を自分の車に乗せ、
彼の家族が運び込まれた病院まで連れて行った。
友達は、家族の無事を確認できて嬉しそうだった。それを見た私も嬉しくなった。
<これを物語に組み込むなら>
車に乗せず、「どこでもドア」的な道具を作るとか、
事故に会う前に時間を戻し、事前に助け出す。
という話のアイデアになります。
<もっと現実的にするなら>
友人の家族が輸血を必要としているが、病院に血が足りない。
主人公は、急いでほかの病院から血を持ってくる。
などの物語を作り出すことができます。
(例)
テレビで、近所の銀行に強盗が入ったことがわかった。
銀行員が一人重傷を負ったようで、可哀想だと思った。
<これを元に物語を作る例>
テレビで、近所の銀行に強盗が入ったことがわかった。
なんと人質の中には、俺の彼女がいた。
俺は「伊賀の里 現代版」で培った忍術を駆使し、銀行に侵入した。
見事犯人を逮捕。人質にも怪我はない。俺ってすごい。
ここで重要なのは、なぜそのような感情になったか、の経緯を書くことです。
「友達を助けられた。嬉しかった」だけでは、なんのアイデアも浮かびません。
「崖から落ちそうな友人を、いつも鍛えている上腕二頭筋を持った俺が引き上げて助けた。友人がお礼を言ってくれて、俺は嬉しくなった」
というように経緯を書いてください。
実際にあった話を使うと、よりリアリティが増すので、
この方法は、かなりおすすめです。
すでにあるストーリーを改変する。
物語にアイデアは不可欠ですし、自分の作風を作るためにも、
アイデアは重要です。
しかし「アイデアが出ないと書けない」と思っていると、
余計アイデアはでません。
一度、日本昔話や、民話、神話、
子供向けのストーリーを真似して書いてしまいましょう。
そして、そこに自分なりの味つけをしてみてください。
簡単に、あなた独自のアイデア満載のストーリーが出来上がります。
(例)桃太郎
桃から生まれた桃太郎。→人工授精による、試験管ベイビー。
おばあさんが作ったきびだんご。→博士が作った、体を強化するドーピング剤。洗脳効果もある。
犬→戦車の運転手
猿→人体改造により作られた、ゴリラ人間
キジ→記事(プロパガンダによって、同士を増やす)
鬼→人体改造に失敗し、凶暴性が増した人間。
鬼ヶ島→日本、凶暴性が増した人間に支配されている。
戦いの終わりに持ち帰る宝→「平和、救われた人間からの賞賛、国民栄誉賞」を持ち帰る
桃太郎を改造するだけで、長編に出来そうなアイデアが生まれました。
コツとしては、参考にする物語は、
単純化した方が、自由に作れるということです。
キャラクターの関係性、物語の構造、世界観の設定。
全て、一度単純化してから利用しましょう。
元から単純化されている、子供向けの物語が適しているのも、これが理由です。
新兵器、新商品、新技術に敏感になる。そして、さらなる未来を予測する。
新しい商品や技術は、アイデアの宝庫です。
それを利用する方法を考えてください。
例えばドローンです。
ドローンを悪用しようとすれば、盗撮、泥棒、殺人、いくらでもできます。
もちろん、良いことにも使えます。配達、映画の撮影、危険な場所への侵入。
では、盗撮に使用するとしたら、どのようなドローンがいいでしょう?
蚊のように小さなドローンが適任ですよね?
こうなってくると、人体の中に入れるドローンなんてのも考えつきます。
医療に革命が起こりますね?
配達ならどんなドローンが適任でしょう?
荷物を大量に積みこめるけど、狭い場所にも入れる。
4次元ポケットがあれば、実現可能です。
もしかしたら、人間自体を運ぶこともできるようになるかもしれません。
そうなってくると、悪人が人身売買をしやすくなるかも?
ノンカロリーのマヨネーズがあったら?
さらなる未来は、ノンカロリーどころか、
飲むだけで痩せるマヨネーズが開発されるかもしれません。
そうなると、マヨネーズに合う商品が売れまくります。
マヨネーズを使った料理の本が売れるかもしれません。
地球人全員がマヨラーになるかもしれません。
新しい技術や商品を見つけたら、それをどのように使うかを考え、
さらに未来の姿を想像してください。
未来を考えることは、アイデアをうみだす事なのです。
ドキュメンタリー、ノンフィクション作品を見る。
自分の人生を掘り下げることに似ていますが、
これは他人の人生からヒントを得られます。
ドキュメンタリーには、リアルな問題が詰まっています。
ストーリーも、フィクションと違って、テンポよく進みませんし、
問題が理想的な解決方法を得られるとは限りません。
それを見ることによって「こうなったらいいのに」
「自分の物語ならこう解決する」「ここにスーパーヒーローがいたら……」
など、想像力が湧きます。
特に、リアルな問題というのは、フィクションよりずっと衝撃的です。
その衝撃を、自分の物語で再現しようとすることで、実力が上がっていきます。
もしかしたら、ノンフィクション作品は苦手だという人もいるかもしれません。
しかし、物語の勉強となると、ノンフィクションは外せません。
実際にあった事件、科学的研究、成功者の人生、歴史を変えた人物。
など、興味のあるものからでいいので、
見たり読んだりすることをお勧めします。