基本的に、物語は
「キャラクター、世界観、ストーリー、テーマ」の4つからできています。
その4つの中から、どれから作るかは人によりますが、
毎回同じ発想法は通用しません。
前回は、キャラから作リはじめ、次はストーリーから、
その次は世界観から……というように、
毎回違う発想法になる人は多いです。
つまり、どこから発想しても、物語を制作できる方法を知る必要があるのです。
ここでは、キャラクター、世界観、ストーリー、テーマ。
どこから発想しても、理想的な物語を作れる方法を書いていきます。
キャラクターから発想した場合
キャラクターを発想する。(魅力的なキャラクターを作り方を参照)
そのキャラクターは、読者や、自分の悩みを反映しているかを考慮し、
読者の共感を得られる存在かを確認する。
共感を得られないのであれば、共感を得られる要素を入れる。
共感されないキャラクターは、読者の興味を得られない。
つまり、視界に入らない。
キャラクターを頭の中で行動させる。
道で歩いているとき、戦う時、告白する時、授業を受ける時、食事の時、
料理をするとき。
キャラはどのような行動をとり、どのような異常さ、普通さ、
他人に対してどう行動するかを考える。
作者のあなたが、食事をしているとき、風呂にはいっているとき、
あるいているとき、車を運転している時、授業を受けている時など、
あなたの日常に、キャラクターを当てはめ、
どう行動するかを考えると効果的です。
キャラの能力は?
キャラはどのような特性を持っているかを考える。
モブキャラと同じではつまらないです。ストーリーを進める上で、
そのキャラでなくてはならない特性を考えましょう。
その特性は、平均より上でも下でもいいです。
モブキャラでもストーリーが進むとなっては、
キャラクターの特性の意味がなくなります。
キャラクターの人間関係を考える
そのキャラクターは、周りの人間からどう扱われているか。
キャラ自身は他人をどう扱っているかを考える。
それが、ストーリーにどう影響を及ぼすかを考える。
人間関係を描かない作品は、物語として、弱い部類に入ってしまう。
キャラクターが解決すべき問題と、問題が発覚するきっかけを決める
キャラクターが何を解決したいのか、
解決することによって何を手に入れるのか?
自分でその問題に気づいているのか、他人に気付かされるのか?
問題を解決したい理由は何か?
問題を解決できなかったらどんな不利益があるのか?
物語に限らず、人は問題がないと行動しません。
小さな問題でも、大きな問題でもいいので、かならず問題は必要です。
ヒントは、理想と現実のギャップです。
人間は、理想と現実のギャップにしか苦しまないからです。
キャラクターが活躍できる世界観を考える
キャラの魅力を伝えることに特化した世界観であるべきです。
キャラの能力が活かされる世界観、あるいは、
キャラの能力が全く活かされない中、頑張る姿を描くか。
(例)
中学で空手を習っていた主人公が、弱小空手部に入り、活躍して、
部を優勝させる。
中学で空手を習っていた主人公が「空手なんて嫌い」と言っている
異性を好きになってしまう。
空手部だったことを隠して、異性にアピールする。
1は、主人公の能力を活かした世界観(弱小空手部という世界)
2は、主人公の能力が活かせないが、
その中でも頑張る世界観(空手が通用しない世界観)
キャラクターが活かされるストーリーであるか?
キャラがその魅力を発揮できるストーリーであるか?
そのストーリーは、キャラクターにあっているか?
例えば、空手部の主人公が、サッカー部に入る。
全く空手と関係ない能力で努力しても、主人公の能力を活かせない。
もし、元空手部という設定を活かしたいのなら、
空手の上段蹴りがシュートに活きるなどの描写をしなければならない。
ストーリーが終わった後、ちゃんと問題が解決しているか。
ストーリーが終わった後、読者の疑問に答えているか。
提示された問題を解決しているか。
読者が首をかしげる終わり方をしてはいけません。
例えば、主人公が、病気で苦しんでいるとします。
その後、何か事件が起こって、それを解決した。
しかし、主人公の病気がそのままだったら、
読者は「主人公の病気はどうなったの?」と首を傾げてしまう。
「事件を解決することによって、病気の特効薬が見つかった」
などの描写がないと、事件を解決しても、疑問が残ってしまいます。
テーマは伝わっているか?
テーマはキャラクターがしっかり人生を生きれば、自然と生まれます。
物語を再度読み直し、自分が書きたかったことに気付きましょう。
もし、テーマが見つからないのであれば、
それは、キャラ作りが中途半端だった可能性があります。
しっかりキャラクターを作り上げ、その人の人生を生きさせましょう。
世界観から発想した場合。
その世界の住人は、どのような日常を送っているかを考える。
その世界の平和な日常はどのようなものか?
住人は、どのような事に安らぎを覚えるのか?
その世界の、良好な人間関係はどのようなものか?
普段食べているもの、遊び、仕事、恋愛、家族関係、etc……。
自分の生活を、その世界の住人だったらと普段から置き換えてみましょう。
その世界観だからこそうまれる問題を考える。
大きなものでも、小さなものでもいいので考える。
政治的な問題や、命を脅かされる問題や、くだらないと思われる問題。
日常生活における、料理がうまくいかないとか、
子供の好き嫌いが多いとかでもいいです。
問題は、その世界観にのっとったもので作ります。
異世界ファンタジーなら、「魔王が侵略してきた」とか
「魔法書の値段が高すぎて買えない」とか、大きなものから小さなものまで。
生まれる問題ゆえに必要とされる人材を考える。
必要とされる人材は、問題からうまれます。
「家が壊れた」から大工。「荷物を運びたい」から宅配便」
「魔物が襲ってくる」から用心棒。
その中から、主人公のキャラ作りをすると、ストーリーが生まれやすいです
必要とされる人材、故に生まれる人間関係を考える。
問題を解決してあげる側と、解決してもらう側、
これは一方通行ではありません。
魔物を退治する用心棒も、腹が減ったら、パンが欲しくなります。
でも、パンを作ってくれる人がいないと、パンを食えません。
それらから生まれる、問題を解決し合う人間関係を考えます。
これを恋愛に発展させたり、主人公の心の傷を癒す方法にしたりと
色々使い方があります。
問題を解決して、誰が救われるか?
誰も救われないのであれば、行動する理由がありません。
その世界の住人全てが救われるのか?
主人公だけが救われるのか?
恋人だけが救われるのか?
世界がどう変わるのかを考えてください。
その世界観の何を伝えたいかを決める。
その世界の何を伝えたいのかをはっきりさせてください。
住んでみたい世界なのか。住んでいる住人の魅力なのか。
その世界から生まれるストーリーなのか。
結局は、キャラクターの魅力を通じて、
世界観の魅力を伝えられることがわかるはずです。
一番伝えたいことを決め、それを伝えられるキャラクターを作りましょう。
(例)
その世界の水が綺麗だという事を伝えたい場合、
その水を活かす料理を作ったり、
魚が元気に泳いでる事を説明するキャラが必要。
キャラクターの作り方を再度確認し、
それを世界観つくりに融合させてください。
ストーリーから発想した場合
とりあえずは、ヒーローズ・ジャーニーのような物語の基本構造を
おさえたほうが、素早く作れます。
ストーリーから発想したと言っても、
キャラを活かさなくて良いわけではありません。
基本的には、キャラクターからの発想法と同じです。
主人公が関わる理由
主人公が問題に関わる理由はしっかり考えなくてはいけません。
解決したら何を得るか、解決しないと何を失うか、
それがはっきりしないうちは、物語を始められません。
なんの得もないのに、主人公が行動したら、読者は納得しません。
どうなったら解決するか
どうなったら、何を手に入れたら、誰をやっつけたら、
物語の問題は解決するのでしょう?
これがないと、ストーリーに目的がなくなってしまい、
読者は、どんな気持ちで作品を読んでいいかわからなくなります。
単純化できているか?
ストーリー作りに手間取る人のほとんどが、単純化をサボっています。
複雑に考えていると、行動に起こすことが難しくなり、執筆に影響が出ます。
まず「これを解決したら、終了」と言う単純な物語を作り上げてください。
複雑な物語は、単純な物語に、色々な素材が付いているだけなのです。
ストーリーとキャラクターと世界観、相互に活かし合う
ストーリーを活かすキャラを作り、キャラを活かすストーリーを作り、
ストーリーとキャラを活かす世界観を発想する。
「ストーリー、キャラ、世界観」を何度も行き来して、作品を作ります。
キャラは、ストーリーを飛び出てしまうようなものを作ったほうがいいです。
そして、飛び出したキャラにストーリーを追いつかせます。
ストーリーとキャラクターは、抜きつ抜かれつの関係が望ましいです。
でも、ストーリーもキャラも、世界観を飛び出してはいけません。
これは簡単な理由です。
刑事ドラマで、犯人が銃を持っていて、
主人公が「くらえ! かめはめ波!」とかやってしまったら、
もう刑事ドラマではありません。
ギャグなら大丈夫ですが……。
ストーリーとキャラは抜きつ抜かれつの関係ですが、
世界観だけは飛び越えてはいけません(ギャグ以外)。
テーマから考えた場合
テーマから考えるのはおすすめできません。
なぜなら、説教臭くなり、セリフもわざとらしくなる場合が多いのです。
ストーリーも結末を縛られ、キャラクターの行動も縛られます。
それによって、自由な創作ができなくなります。
なれていないならやる必要はありません。
なるべくテーマを考えないように作ったほうが、
良いものが出来上がる人が多いです。
ですが、テーマから考える人もいなくはないので、
テーマからの発想法を書いていきます。
他の発想法と合わせて参考にしてください。
まずはテーマを絞る
伝えたいことには優先順位をつけましょう。
「あれも伝えたい、これも伝えたい」では、
地に足のつかない不安定な作品になってしまいます。
ストーリーを進めている段階で、他にも伝えられるものがあれば、
ついでに付け足していくのが理想です。
伝えたいテーマから物語を作っていく
伝えたいテーマを決めたら、そのテーマを象徴する場面、
テーマを伝えられるであろうセリフ、結末、戦いを考えます。
その場面から、逆算したり、エピソードを付け足したりして、
ストーリー、キャラ、世界観を考えます。
キャラクター、ストーリー、世界観の発想法を参考にして、
物語を作り上げてください。
キャラ、世界観、ストーリーは、テーマにあっているか
ストーリーの結末はテーマに沿っているでしょうか?
キャラはテーマを象徴しているか、テーマの逆を行くか?
世界観は、テーマを象徴しているか、テーマの逆を行くか?
物語によって、解決した問題が、テーマを象徴しているかを確認してください。
どんな発想から物語を生み出しても、全てにおいて気をつけなければならない事とは?
あなたが書きたい物語であるか?
書きたくもないものを書いていても、能力は発揮できません。
書きたくないものを書いて成功できる人は、元々、
物語を書くのが目的ではないのです。
漫画家であれば、ただ絵を描くのが好きだったり、小説であれば、
字を書くのが好きなのです。
物語を書きたいのであれば、好きな物語を書いてください。
単純な言葉で説明できること
「こいつを倒したら解決」「これを手に入れたら解決」
「〇〇事件解決でおわり」と物語の目的がはっきりしている。
ターミネーター2なら、「ジョンを、未来からの刺客から守りきったら勝ち」
インターステラーなら「人類を救う」
ハリー・ポッターなら「ヴォルデモート倒したら勝ち」
もっと細かく見れば、それだけではありませんが、
単純化すればこんなものです。
「話の途中で、目的が変わる名作なんて沢山あるじゃないか」
と思うかもしれませんが、話の芯となる「最大の目標」を達成するために、「小さな目標」をいろいろ変えるんです。
駄作は、小さな目標が、最大の目標をこえた扱いになったり、
最大の目標を忘れて、小さな目標につきっきりになったりします。
最大の目標が、2つも3つもあると、ひどいものです。
最大の目標は一つだけにしてください。
ストーリの「最大の目標」がはっきりしていない作品は、駄作になりがちです。
しかも、目標がはっきりしていない作品は、作るのに手間取ります。
作るのに苦労して、駄作になるなんて最悪ですから、
しっかり物語の目標は決めましょう。
感情が動くか
読者は、感情の動きがほしくて、物語を求めます。
「面白い、笑える、泣ける、考えさせられる、明日から行動を変えよう」
など、物語を見る前と、見た後で、何も変化がなければ、
物語の存在価値はありません。
読者の感情が動くかどうかは、最優先事項です。
キャラクターが活きているか?
キャラクターの感情がわかるか(共感)? テーマに縛られていないか?
ストーリーに縛られていないか?
ストーリーを活かし活かされるキャラであるか?
キャラクターが縛られるということは、
あなたの作品が縛られていると同じ意味です。
縛られた状態では、良い作品は作れません。
全ての物語において、キャラクターの魅力が一番大事なのです。
キャラを縛ってはいけません。
キャラを縛るものは全て捨ててください。
お気に入りのシーンやセリフ、テーマ設定。
キャラを縛っているものは全て捨てましょう。
逆に、キャラを活かす設定は、どんどん採用しましょう。
これらは、順番通りに実行する必要はありません。
思いついた項目から実行してください。