長編を短編にする方法・短編を作る方法


 

「長編はかけるのに、短編が書けない」

「マンガを雑誌に投稿するために、短編を書かなくてはならない」

「読み切りを依頼された」

「長い話なんて書きたくない」

 

特に、マンガ家のプロを目指している人にとっては、

短編は避けては通れない道です。短編をかけないから、

ネットでしか作品を発表できないなんて、よくある話です。

 

そんなひとにも、短編をかけるようになる方法を紹介します。


  • 長編を短編にするのは、短編を長編にするより難しい?

長編は作業量が多いので、それはそれで大変なのですが、

 

短編は、好きなシーンを削ったり、限られたページ数で、

キャラクターの魅力や設定を描かなくてはいけないため、

長編とは違った難しさがあります。

 

ですが、これから書く方法を実践すれば、

簡単に短編を作る事ができるようになります。


  • 長編を短編にする方法と、短編を一から作るのは、ほとんど同じ?

同じだけ手間がかかると言った方がいいですね。

長編を短編にするには、設定以外一から考え直します。

 

これが長編を短編にする難しさです。

 

物語には、最低限必要なものがあり、その見極めができていないと、

短編を作る事が出来ません。

 

逆に、最低限必要なものを見極めていれば、

短編を作ることは簡単になります。

 

 

「短編を一から作りたい」という方は、まず、

「魅力的なストーリーの作り方」「魅力的なキャラクターの作り方」

を読んで、物語の基本形やプロットを作ってください。

 

それが出来たら、紙とペンを用意して、次へ進んでください

 

 

 

1.一番伝えたい事以外は、捨てる

 

あなたの物語で一番伝えたい事、描きたい事を選び、他は捨ててください。

 

物語の目的が「勇者が魔王を倒す」だったらそれ以外を捨ててください。

 

「捨てたらもったいない」と思えるエピソードや、

設定があるでしょうが、今は堪えて、捨ててください。

 

長編を短編にするときや、

短編を作るときに一番邪魔になるのは

 

「せっかく考えたエピソードや設定を、物語に使いたい」

 

 という欲です。

 

描きたい事は、

 

「成績が上がっていく主人公」や

「ドキドキする恋愛を描きたい」など、

 

テーマを主体にしなくてもいいです。

むしろ、テーマを主体にしない方が、いいものが出来上がります。

 

一番描きたい事以外は、一度捨ててください。

 

 

 

2.一番描きたい事を中心にして、最低限の設定、キャラ、

 ストーリーを作り出す。

 

「勇者が魔王を倒す」が描きたいなら、魔王と勇者、

 二人だけで戦っている場面をまず考えます。

 

「成績が上がって行く主人公」が描きたいなら、

勉強をしまくっている主人公を描きます。

 

「ドキドキする恋愛を描きたい」なら、自分を磨いている主人公を考えます。

 

あなたが一番描きたいシーンを想像して、

どのようなシーンかをメモしてください。

 

ここで重要なのは、キャラクターを必要最低限の人数にする事です。

これらの例は、どれも二人になります

(雑魚敵やモブなどの、名のないキャラクターは数えない)。

 

 

次に、上記の主人公の行動は

「どんな問題を解決するための行動なのか」あるいは

「どんな問題を解決したシーンなのか」を考えます。

 

(例)

「勇者が魔王を倒す」なら、

魔王に脅かされている村々を助けるため

魔王に詐欺られた住人の金を取り戻すため

魔王が、姫をさらったから、姫を助け出すため。

 

「成績が上がって行く主人公」なら

成績が上がらないと、志望校に受からない

成績が上がると、プレゼントがもらえる

成績が低いと部活の試合に出れない

 

「主人公が告白して、成功するシーン」なら

恋人を作りたい

片思いを解消したい

周りの友人はみんな恋人がいる。それが悔しいから。

 

 このように、「あなたの一番書きたいシーン」は

「どんな問題を解決するための行動なのか」

「どんな問題を解決したシーンなのか」を書いてください。

 

 

書くことによって、

物語の中心となる問題が浮かび上がってきます

 

 

主人公が「この問題を解決しようと決心する事」が、物語の始まりとなります。

 

この作業をすることによって、

物語の内容を一言で表せるようになりました。

 

一部をピックアップすると、

 

「魔王に脅かされている村々を助けるため」→「勇者が魔王を倒す」

 

「部活の試合に出るため」→「主人公は成績を上げる」

 

「片思いを解消して」→「恋人を作る」

 

などです。

 

 

 

3.主人公が動く動機を作る。

 

物語の中で、解決すべき問題を決定したら、次は、動機です。

 

主人公が「その問題を解決したい」と言える動機が必要です

 

「なんの理由もなく、命の危険を犯して、村を救う」

「成績を上げなくても、何も困らないけど、必死になって成績をあげる」

「好きでもない恋人をゲットするために、必死になる」

 

 

これでは、読者が主人公に共感できません。

 

主人公が動き出す動機には、わかりやすく、

数ページで表現できるものが必要です。

 

もちろんここでも、主人公が読者に共感してあげられるような

動機を持ってくるのが重要です。

 

 

「村は自分が育った村。だから救いたい」←故郷を大事にする心に共感できる。

 

「成績を上げないと、優勝がかかった試合に出れない」

 ↑ せっかく手に入れられそうな栄光を失うという、危機感に共感できる。

 

 

「中学生活ずっと片思いだった。告白して、振り向かせたい」

 ↑ 好きな人と両思いになりたいという心に共感できる。

 

 

このように、主人公の行動に強い動機をもたせます。

 

主人公が問題を解決する動機を書いてください。

 

「長編では、もっと複雑な設定だった。それを捨てるなんてとんでもない!」

 

その気持ちはわかります。しかし、短編では、

捨てることが肝心なのです。

 

捨てることが短編を良いものにするのです。

 

 例えば、長編では、

「主人公が行き倒れになってた。

それを救ってくれた村の人を助けるために魔王を倒す」

 

 という設定だったかもしれません。

 

それを描くには、主人公が行き倒れになり、

救われるシーンを描く必要があり、村人と仲良くなるシーンを描き、

魔王に脅かされるシーンを描く必要があります。

 

でも、それでは、描くべきことが多すぎです。

 

「主人公が育った村が魔王に襲われる」に変えてみましょう。

 

この場合、主人公の生活を描き、主人公が狩りでもして、

その強さを読者にアピールすれば、あとは魔王軍に、

村を襲ってもらうだけです。

 

 重要なのは、どちらが無駄がないかです。

 

短編を作るときには、自分が伝えたいことをたった一つ伝えるために、

無駄を極力省く必要があります。

 

 

(例)

もっと短くするなら、村人に依頼されて、

主人公がやってくるという設定にすれば、かなり短くできます。

 

村人との人間関係は、金だけの関係。

村人が主人公を呼んだ理由を、自然に語れる。

 

主人公の強さの説明が「そういう職業の人だから」で済む。

傭兵とかにでもしておく。

 

金で動く主人公なので、いちいち「人を守るため」とか

「人情」を描く必要がない。

 

物語の終盤に「主人公は、金に左右されないところもある」的な感じで、

主人公の熱い心でも描けば、物語はもっとよくなる。

 

 

 

 

4.あとは結末を描くだけ

 

物語の中で解決すべき問題を決定済み。

「なぜ、解決したいのか?」という動機を決定済み。

 

あとは、結末を描くだけです。

書きたいシーンによっては、もう結末が出来ている人もいそうですが、

また書きましょう。

 

主人公が勝つことによって、何が手に入るか、

何が変わるか、何が救われるか。それを書いてください。

 

もちろん、主人公が解決したい問題は解決され、欲しいものは手に入ります。

 

 

5.どう肉付けするか?

 

これだけでは、かなりシンプルなストーリーです。

何か物足りないのではないでしょうか?



  • 肉付けの仕方

 

まず、描きたいことを思いっきり描けているか? を確認する。

 

一番最初に書いた、「一番伝えたいこと、一番描きたいこと」

が思いっきり描けているかどうかが最重要です。

 

これを描くために物語を作っているのに

「ストーリー展開上、短くなってしまった。描けなかった」

という事が多々あります。

 

その場合は、他の部分が「本当に一番伝えたいことを引き立てているか?」「限界まで無駄を削ぎ落としているか」を再度確認します。

 

(例)

恋人と出会い、一目惚れ

物語が始まったときには、もう出会っている事にする

(出会いのシーンをカットし、主人公の回想でうまく恋心を説明する)

 

村が襲われる

主人公が到着したときには、襲われて数時間経っていた

(生き残った人に説明をさせて、襲われるシーンをカット)

 

 

主人公が周りの人に影響を与えているか?

 

主人公が問題を解決する事によって、

主人公以外にも変化する人がいるべきです。

 

それは、主人公の行動に感化され、行動が変わる人々のことです。

 

(例)

主人公が魔王と必死に戦う。

魔王には敵わないと諦めていた村人も、主人公の戦う姿を見て、勇気が湧いてきた。

 武器を持って戦い始める。

 

主人公に告白されたキャラクター。

自分なんかで良いのかと、ずっと悩んでいた。しかし、主人公が誠実に対応してくれるので、 自分に自信が持てるようになった。

 

必死に勉強して、成績を上げる主人公。

最初は、主人公をバカにしていた優等生。必死に勉強する主人公に感動し、

 勉強を教えにきてくれる。

 

 

ページ数によっては入れられません。

しかし、主人公の行動によって、ほかのキャラが成長するのは、

かなり王道ですので、入れられるのなら、入れて損はありません。

 

 

6.ここで初めて、長編で使わなかった設定を入れられるかを確認する。

 

ほとんどの場合は、使えません。

長編のための設定と、短編のための設定は目的が違いすぎるからです。

 

長編の設定は「描きたいこと、伝えたいことを、より上質に伝える」にあり、

 

短編の設定は

「描きたいこと、伝えたいことを、一番手っ取り早く伝えるため」

にあるからです。

 

もし、ページ数や文字数に余裕があり、

長編で使っていた設定やキャラクターを入れられそうなら、入れてみましょう。

 

しかし、取り入れた設定が

芋づる式に描くべき描写を増やしてしまうなら、簡略化する必要があります。

 

(例)

主人公は、実は魔王の子供だった。

魔王と同じ能力を持っていたり、姿形が似ていたり、離れ離れになってしまった経緯を描かなくてはならない。

 

だとしたら、主人公が魔王の子供だったという設定で、

あなたは何を描きたかったのかを分析する。


・親を倒さなければならない主人公の悲哀を描きたいのか?

・魔王と同じ能力を持っている主人公の活躍を描きたいのか?

・魔王の子供だということを知られた主人公が、周りの人たちに冷たくされるところを描きたいのか?

 

もし『親を倒さなければならない主人公の悲哀を描きたい』なら、

単純化するために「主人公の親が洗脳されて、倒さなければならない」

に変える。

 

もし『魔王と同じ能力を持っている主人公を描きたい』なら、

「主人公がコピー能力を持っている」とか「魔王と同じ学校出身」

などに変える。

 

もし『魔王の子供だと知られた主人公が、

周りの人に冷たくされるところが描きたい』なら、

「主人公が魔王と同じ種族」「主人公の戦い方が怖すぎる」などに変える。

……などなど

 

例のように変えて、本当に短くなるかは、

物語の設定やストーリーに左右されますが、

重要なのは「描きたいことを、どう簡潔に伝えるか」です。

 

 

7.最終的に、伝えたいことが伝わっているか? 描きたいことが描けているかを確認する。

 

描き終わった作品が、本当にあなたの描きたかったことが

描けているかを確認してください。

 

もしかしたら、描いているうちに、

描きたいことが変わっているかもしれません。それでもいいのです。

 

描きたいことが読者に伝わり、心になにかを残せれば、その作品は成功です。

 

逆に、なにを伝えたいのかわからない作品になってしまっていたり、

なにをしたいのかわからない作品になってしまっていたら、

その作品はただの練習用です。

 

自分と読者の心が繋がっているかを確認しましょう。

 

 

番外編


  • 短編を作るには、現代劇が一番?

ファンタジーを描きたい気持ちはわかりますが、ファンタジーの場合、

世界観の説明にどうしてもページ数がかかります。

異世界転生ものでも、最低限の説明が入ります。

 

現代劇なら、その説明が入りません。いきなりストーリーを始められるのです。

 

自分で世界観を構築する必要もなく、

お金の概念や、仕事、法律、全て説明しなくていいのです。

 

資料もいちいち探す必要なく、そこら中にあります。

現代物は、練習にはもってこいなのです。

 

建物を描く練習も簡単に行えますし、自分で撮った写真を、

そのままパソコンに取り込んで、少し加工するだけで背景にできます。

 

もし、ファンタジー系のものを書いていて、

短編作りに困っていたら、まず現代物を書いてみるのがオススメです。