魅力的なストーリーを作る方法


 

 

魅力的なストーリーとは、ズバリ『感情が動くストーリー』のことです。

 

どんなに完成されたストーリーでも、どんなに基本を守っていても、

どんなにリアリティがあっても、

感情が動かなければ、その作品は『魅力がない』とされます。

 

逆に、ストーリー展開に無理があったり、設定が崩壊していたり、

キャラクターが暴れまわっているだけなのに、

面白いと言われる作品は、読者の『感情の動き』が顕著に現れます。

(もちろん、物語も設定も、しっかり作られていた方がいいです)

 

では、どうすれば、読者の感情を動かし、

魅力的なストーリーにすることができるのでしょうか?

 

ここでも、キャラクターが最重要です。

 

人間が作品を見て、感情を動かす時、

何を通して感情を感じているのでしょう?

 

 

それは、キャラクターです。

 

キャラクターに感情移入、共感、理解を示しているからこそ、

読者は感情を動かすことができるのです。


  • キャラクター作り視点から見る魅力的なストーリーの作り方。

 

人は、無料でもらったガラクタが壊れても、感情が動きません。

しかし、10000円で買った、お気に入りの服が破れたら、落胆します。

 

人は、遠くの国で、人が何人も病気で死んでいても、涙を流しません。

しかし、友人や家族などの、親しい人が死んでしまったら、悲しみにくれます。

 

これは、物や、親しい人たちに、愛情があるからです。

 

人は、知らない人が悲しんでいても、自分は涙を流しません。

しかし、親しい人が泣いていたら、自分まで悲しくなります。

 

これは、親しい人には、共感と理解がしやすいからです。

 

キャラクターも同じなのです。

 

 読者に

『キャラクターを理解してもらい、共感してもらい、愛してもらう事』が、

魅力あるストーリー作りの第一歩なのです。

 

 

「どうやったら、読者をキャラクターに共感させられるの?」

 

 

まずは、『魅力的な主人公(キャラクター)の作り方』を読んで、

実践してください。

 

実践が終わったら読み進めてください。

 

 

あなたが作ったキャラクター。

そのキャラクターが、本当に読者に共感されるのか心配だと思います。

 

その心配を極限までなくす方法を紹介します


  • キャラクターが、読者に共感してあげられるかを検証する。

ほとんどの人は、読者に対して「キャラクターに共感してほしい」と

考えています。

 

しかし、それでは、本当に共感してもらえるかどうかは、わかりません。

 

逆に考えてください。

 

「キャラクターは、読者に共感してあげられるかどうか?」

 

物語は、一人で書いて完結ではありません。

読んでくれる人がいて、初めてその存在が価値を得るのです。

 

 つまり、読者を救ってこそ価値があるのです。

 

(救い方はなんでも良いです。「暇つぶしになった」「人生に希望が持てた」

「嫌なことを忘れられた」「感動して、涙が出た」など)

 

人は、みんな人生に悩みを持っています。

 

その悩みを救ってあげられる。慰めてあげられる。

共感してあげられる。癒してあげられる。

希望を与え、新世界へ誘える。

 

そんなキャラクターが読者には必要なのです。

 

 

魅力的なキャラクターとは、

 

「読者を理解し、読者に共感し、読者と同じ喜びを持ち、

 読者と同じ涙を流せる人物」なのです。

 

「ヒーロータイプは違うと思うけど?」と思うかもしれません。しかし……

 

ヒーロータイプは、読者が次に行くべき道、行きたい道、

こうなってほしいと思える人生を理解しているキャラクターです。

 

だからこそ、自分が先に行き、読者に勇気を与えられるのです。

 

もちろん、最初は、作者のあなたを救うキャラクターを作るのが最善です。

 

あなたと同じ悩みを持っている人は、読者の中に必ずいます。

その人と、自分を救えるキャラクターを作りましょう。

 

 

どうやったら、読者に共感してあげられるのか

 

共感というのは同じ境遇、同じ障害、

同じ問題を抱えているというだけではありません。

 

重要なのは『感情』です。感情が共感を呼ぶのです。

違う境遇だとしても、似たような感情になることはあります。

 

 

(例)

体が弱く、入院してばかりで友人ができない。→寂しい。友人が欲しい。

親が経営している店を手伝ってばかりで、友人ができない。→寂しい。友人が欲しい。

 

魔王が攻めてきて、祖国が乗っ取られそう。→大切なものが奪われる。守りたい。

恋人が誘拐され、人質にされた。→大切なものが奪われる。守りたい。

 

好きな人ができた。デートしたい。→欲しいものがある。手に入れたい。

宝の地図を発見した。宝を手に入れたい。→欲しいものがある。手に入れたい。

 

 

これを見てわかるように、境遇が違っても、似たような感情になるのです。

 

キャラクターの共感に大事なのは

 

『境遇が同じな事』ではなく「読者が同じ感情を持てる事」です。

 

 

ストーリー作り視点から見る、魅力的なストーリーの作り方

 

ここまで、キャラクター作り視点から、

魅力的な物語の作り方を紹介しましたが、

これだけでは、魅力的なストーリー作りは、できません。

 

ここからは、ストーリー作りの視点から、

魅力的なストーリーの作り方を紹介します。

 

 

魅力的なストーリーは、芯が一本通っている

 

 名作のストーリーには、共通することがあります。それは、

 

『解決すべき問題は、ひとつだけ』

 

 という事です。単純化にも繋がる考え方です。

 

「え? でも、次々に問題が起こって、

主人公が翻弄される作品なんていくらでもあるじゃん」

 

ありますね。しかし、これは、

「どの問題を物語の中心に置くか?」が問題なのです。

 

例えば、「主人公が家族を誘拐され、それを救い出す物語」であれば、

家族を救うことが物語の目的なわけです。

 

しかし、「誘拐した組織が、主人公の祖国を襲うために、主人公の家族を人質に取った」

となれば、組織を潰さなくてはなりません。

 

この場合「組織を潰すこと」と「家族を救うこと」どちらを

物語の中心に添えていいかわからないと思います。

 

 

ここで一番重要なのは『主人公が動き出したきっかけ』です。

物語が始めるきっかけでもあります。

 

 

家族を誘拐されたことで主人公が動き出したなら、

家族を救うことを物語の中心に置きます。

クライマックスも、家族を救えるか救えないかの瀬戸際に置かれ、

無事、家族を救い出します。

 

 

組織が主人公の祖国を攻撃して、主人公が動き出したなら

組織を潰すことが、物語の目的となります。

話の途中で、家族が人質に取られても、

セントラルクライシス(ヒーローズジャーニー参照)

あたりで助け出し、クライマックスは、組織との対決です。

 

物語が始まった理由を解決して、物語は終了する

 

これが基本です。

 

 

  • 世界観作り視点から見る、魅力的なストーリー作り

 

ストーリーに世界観は重要です。

 

現代の日本を使えば、そのまま完成された世界観を使うことができます。

しかし、架空の世界、過去、未来、を使う場合は、

ストーリーを活かすものでなくてはいけません。

 

魅力的な世界観とはなんでしょうか?

 

読者が『住んでみたい世界、行ってみたい世界、理想の世界』は魅力的です。

 

しかし『荒廃した世界、1秒も居たいと思えない世界、人間がいない世界』

でも魅力的な世界は作れます。

 

なぜなら、魅力的な世界観とは、『キャラクターを活かせる世界』だからです。

 

これが全くキャラクターが活きない世界だったらどうでしょう?

 

 

・キャラが誰もいない世界。

 

・主人公の能力が全く役に立たない世界で、主人公は努力もせずに、

 ただ打ちひしがれるだけ。問題を解決する行動も起こさない。

 

・なんの問題もなく、人間が行動する理由が全くない世界。

 

ストーリーが始まりませんよね?

 

どんな世界観だとしても、そこには問題があり、

問題を解決しようとするキャラクターがいます。

 

世界観を作り上げることは、キャラクターを作り上げることと同等なのです。

 

 

世界観の魅力を上げる方法。

 

あなたは世界観の何を伝えたいですか?

それをリストにしてみてください。

 

(例)

・平和でのんびりした世界観を伝えたい。

・荒廃した世界で、必死に生きる人間を書きたい。

・未来の世界で、便利な生活を書きたい。

 

例を見るとわかりますが、

世界観の魅力は、キャラクターによって伝えられます。

 

「のんびりとした世界観」「必死に生きる」「便利」など、

すべてキャラクターがいないと伝えられません。

 

世界観はキャラクターに活かされ、キャラクターは世界観に活かされます。

 

 

自分が描きたい世界観に、起こり得る問題を書けるだけ書き、

 リストにしてみましょう。

 

(例)

平和でのんびりした世界

暇すぎる。遊びが見つからない。

遊びの試合に勝ちたい

美味しいものが食べたい。でも店が遠い

 

荒廃した世界

食料の奪い合い

動物たちの凶暴化

武装集団の支配

 

未来の世界

労働の必要性がなくなり、暇

ロボットが全てをやってくれるため、人間の能力低下

後進国のテロ

娯楽の多様化により、飽きっぽい人が増加

 

 

ここでリストにあげた問題は、直接キャラクター作りに関わってきます。

 

問題を解決しようとするキャラ、

問題を起こす側のキャラ、

問題を問題とも思わないキャラ。

 

それらを作り上げていけば、世界観にあったキャラクターが出来上がります。

独自の世界観だからこそ生まれる、独自のキャラクターです。

 

 

独自の世界観だからと言って、独自の感情ではない。

 

独自の世界観でキャラクターを作り上げると、読者への感情移入や、

共感ができないのではないかと思われるかもしれません。

 

しかし、独自の世界観でも人間の感情というのは、

共通した部分が必ず存在します。

 

ピラミッドを作っていた時代にも、江戸時代でも、現代でも、

「今の若者はなってない」というような文章が発見されるそうです。

 

つまり、人間というのは、人間である限り、

時代が変わっても、場所が変わっても、似たような問題を抱えているのです。

 

荒廃した世界でも、「大切な人を守りたい」という感情はありますし、

穏やかな世界でも、「友人がいないと寂しい」という感情はあります。

便利な未来でも、「社会の役に立ちたい」という感情は、

人間の本能としてあるのです。

 

逆に、人間の感情を全く利用できない世界観があったとしましょう。

 

そうなると、誰にも共感されませんし、

誰にも共感できない作品になります。共感に感情は必要です。

 

 

世界観が変わっても、人間を人間たらしめているのは、感情なのです。