魅力的な主人公(キャラクター)を作る方法


 

この章では、魅力的なキャラクターの作り方を紹介します。

主人公に特化していますが、どんなキャラクターにも使えます。

 

 

まず、主人公4つのタイプを紹介します。

 

主人公の4つのタイプと名前がついていますが、

脇役にも使おうとすれば全然使えます。

 

 

主人公、4つのタイプとは、

 

普通の人、ヒーロー、負け犬、アンチヒーローです。

 

それぞれの特性を説明すると、

 

  • ヒーロータイプ

この主人公は完璧ではないが、読者より優れている部分が多く、

読者に「こうなりたい」あるいは尊敬の感情を抱かせます。

 

自分の存在価値に自信があり、自分を疑わず、

相反する感情に悩んだりしません。

そして、この主人公は読者に「自分もこうなれるかも」という

幻想を味あわせる事が出来ます。

 

  • 普通の人

 

この主人公は、読者に最も近い存在で、

読者に共感の感情が生まれやすいタイプです。

可愛そうでもなく、魅力的でもなく、平均的なキャラが使われます。

「こういう人いそう」と言われるキャラです。

 

主人公の気持ちが理解しやすいため、主人公の苦しみや喜び、

問題を解決する 姿を自分の事のように思わせる事が出来ます。

 

  • 負け犬

 

この主人公は、読者よりも運が悪く、下の存在です。

努力が報われず、異性にはそっぽを向かれ、才能がなく、何をしても負けます。

 

読者はそんな主人公に同情し、助けたいとか、慰めたいとか思い、

困難に出会った時も、失敗する確率のほうが高いため、

 

「どうやって乗り越えるんだ!?」

 

という緊迫感も感じやすく、読者はドキドキします。

そして、そんな状態なのに、困難に立ち向かい、勝利して、

人生を切り開く。そこに賞賛が生まれるのです。

 

  • アンチヒーロータイプ

このタイプは読者とは正反対のタイプです。

読者が、やってはいけないと思う事を平気でやり、

目的の為には手段を選ばず、人間の闇の部分を引き受けてるような、

道徳的に問題のあるタイプです。

 

人間は、ほとんどの人が規則に縛られて、

自分の暗い欲求を抑え込まれています。

その暗い欲求を、代わりに満たしてあげるキャラクターだと言えるでしょう。

 

しかし、ただ悪いだけでは読者の理解は得られないので、

行動には強い動機が必要です。

 

 

 

それら全てに共通するキャラの作り方があります。

これさえ知っていれば、主人公作りに困ることはありません。

 

 

これは、主人公だけでなく、悪役、敵役、脇役のキャラクター作りでも、

実行すべき事です。

 

 

最初に、いろんな作品、友人、知り合い、著名人から、

魅力のある部分を貰って来ましょう。

 

「見た目、設定だけ、好きなところ、感情が動いた部分、性格だけ」を

借りてきて、組み合わせたり、自分なりの味付けをしてください。

 

もちろん完全オリジナルでもいいですが、そのオリジナルキャラも、

結局は何かの影響を受けているということを自覚しましょう。

 

人間は、キャラクターに限らず、物事をゼロから作ることはできません。

必ず、元となるものがあります。

 

今では、戦艦だったり、武器だったり、国から擬人化して、

キャラクターを作ることもあるので、それらを参考にするのもいいでしょう。

 

 

そして、自分の日常にそのキャラクターを当てはめましょう。

 

 

買い物をするとき、勝負をするとき、くつろぐとき、勉強するとき、

あなたが作ったキャラなら、どんな行動をとりますか?

 

そのキャラクターが自然に動くようになるまで、

何度もシミュレーションしてください。

 

 

そのキャラクターが活躍する場面はどんなときですか?

 

 

想像してください。

 

キャラクターならではの、解決方法、行動、癖、仕草。

特に、普通とは違う部分に着目するといいです。

 

 

(音楽を聴きながらウオーキングして考えると、

脳に血流が回り、思考に広がりが持てます)

 

 

ここで、一応プロトタイプができます。

 

 

では、次に、

作り上げたキャラクターをより深めるため、

コンプレックス(弱点)を作ります

 

「コンプレックスが無いと、魅力的なキャラじゃないの?」

 

弱点の無いキャラクターは、主人公として使いにくいです。

 

なぜなら、弱点がないと、それをおぎなってくれる仲間がいらないし、

物語の進行とともに、進化する事ができないからです。

 

(弱点が無いと、悪役が悲しいことになりますしね……)

 

コンプレックス(弱点)によって、

キャラクターのストーリーが作られると言っても過言ではありません。

 

もし、主人公にコンプレックスが無いのなら、

仲間にコンプレックスを持ったキャラを作ってください。

 

 

「コンプレックス(弱点)を持っていないキャラ」

だけの作品は、絶対にあってはなりません。

 

 

ここでは、よりキャラクターを深めるためのコンプレックス(弱点)

作りを解説します。

 

 

最初は番号順に実行して、慣れてください。

慣れたら、思いつくものから実行してくれて構いません。

 

 

1.主人公が解決したいコンプレックス(劣等感、抑圧された心、弱点)を

 書いてください。コンプレックスのない主人公を作りたくても、

 かならずやってください。

 

(例)

・体が弱くて、スポーツや修学旅行に参加できない。

 

 

2.そのコンプレックスのせいで、どう困ったかを書いてください。

 

(例)

体育でバスケの試合に出されても、クラスメイトの足を引っ張ってしまう。

 

クラスメイトに「お前のせいで負けたんだ」と言われ、落ち込む。

 

定期的に病院に通わなくてはならない。薬が多すぎて、薬だけで腹一杯。

 

母が自分につきっきりで、自分の時間を持てず、疲れている。

 

 

 

3.コンプレックスをどう解消したか、どうやってそこから救われたか。 

 あるいは、どうすれば救われるか、を書きましょう。

 

ヒント

 自分が辛かった時、どうして欲しかったか、どのような感情になり、

 どのような行動をとったかを考える

 

膝を抱えて泣いた? 不登校になった?

 

そんな時、どうやってその状態から救われたか、どんな助けが欲しかったか、どう変わりたいのかを考える。

 

問題を解決して何を手に入れたいのか?

 

自分でなんとかするのか、助けてもらうのか?

 

最初はメンター(師匠)に助けてもらい、

最後は自分でコンプレックスを克服する、など。

 

 

(例A

自分だって、クラスに居場所が欲しいし、友達から頼られたい。

自分に有用性があることを認めさせたい。

 

「先生に体がダメなら頭で勝負だ」とアドバイスされ、

参謀としてバスケに参加。見事勝利を収める

 

新薬が開発され、月に一錠飲むだけで、体の調子が良くなった。

 

新薬のお陰で体の調子が良くなり、母がつきっきりにならなくて良くなった。

 

 

4.コンプレックスのせいで、

 どんなフラストレーション(欲求不満)を抱えているか。

 そして、そのフラストレーションにより、どのような感情になるか、

 を書いてください。

 

(例)

外に出る事に制限があるため、異性とのデート場所にも制限がある。

(いつもパートナーに申し訳なさを感じる。

一緒に行きたい場所は、いくらでもあるのに行けない。たまに涙が溢れる)

 

食べ物にも制限がある。

(何も気にせず、ステーキにかぶりつく人を見ると羨ましくなる。

 大食い番組に出るタレントが嫌い。

 体に影響のない、オーガニックのアイスやお菓子などの嗜好品は値段が高く、

 買うのをためらってしまう)

 

いつも混んでいる病院に通うことが辛い。

(距離が遠く、バスや電車を乗り継ぐのがめんどい。

 いつも途中で帰ってしまおうかと思ってしまう。

 帰りには、頑張ったご褒美と休憩を兼ね、オーガニックのレストランに行く)

 

他の子供達が、楽しそうにスポーツをしていて、自分も混ざりたいが、混ざれない。

(激しく動き回れる人を羨ましく思う。

 落ち込んでいるときに彼らを見ると、涙が滲み出てしまう)

 

 

 

5.コンプレックスが、人生にどのような影響を与えたかを書いてください。

 

(例)

子供の頃は、クラスに馴染めなくて、悲しい思いをした。

でも、そのお陰で、病気で苦しんでいる人のきもちがわかった。

 

バスケの参謀をし、勝利する事によって、自分の頭脳に自信を持てた。

 

新薬に救われた事によって、薬品開発に興味が持てた。

 

 

6.コンプレックスがあったからこそ、手に入れた能力や、

 人間関係(仲間)、経験を書きましょう。

 

(例)

バスケの参謀をする事によって、作戦の立て方が上手になり、

それが社会に出てからも活かされた。

 

薬の開発に興味が出たため、科学的、医学的な知識が増えた。

新薬を開発し、病気の人たちから感謝された。

今では、医学会に名をとどろかせている。

 

自分と同じように、病弱な子供達に対して、講演会をする。

そして、その子供達に希望を与えている。

 

 

解説

 

あなた一人で思いつくコンプレックスには、限りがあります。

しかし、同じコンプレックスでも、無限のストーリーが作れます。

 

例文の、「病弱がコンプレックス」なら、

「新薬を開発する人間になる」以外の選択肢もあります。

 

(例)

神秘的な力で、スパイダーマンのように、超人に生まれ変わる。

そして、超人的な運動神経で、悪いやつを倒しまくる。

 

仲間外れにされたことの復讐に、他の人間も病弱にする薬を開発する。

 

病弱だとしても前向きに生きて、自分ができることで小さな成功を収める。

 

 

これを書くと、

キャラクターを深められることがわかると思います。

過去のことから、向かうべき未来まで想像できます。

 

「でもこれじゃ、全部負け犬タイプの主人公になっちゃうじゃん!」

 

と思うでしょう?

 

このままではそうです。

 

でも、ここで終わりではありません。

 

 

 

物語に至るまでのストーリーを考える

 

書いてもらったキャラクターの人生から、

主人公のタイプ分けができるのです。

 

「ヒーロータイプ」なら、

6番に至った状態のキャラクターが主人公になります。

 

つまり、あらゆるコンプレックスを克服し、

コンプレックスを乗り越えた経験があったからこそ、

手に入れられる人生を生きている主人公が「ヒーロータイプ」です。

 

いわゆる「読者の理想の自分」を生きている人がヒーロータイプです。

 

 

「普通の人タイプ」なら、123456、全てを物語に組み込みます。

でも、コンプレックスを酷くさせすぎてはいけません。

ある程度平均的で、誰もが持っているコンプレックスを題材にしてください。読者が共感できることが重要なのです。

 

 

「負け犬タイプ」123456、すべてを物語に組み込みます。

「普通の人タイプ」と違うところは、主人公の状況を、

読者の平均より酷くすることです。それにより、読者の同情を買います。

 

特にこの主人公は、1234を特に重点を置いてください。

それらを、細かく深く書く事によって、

コンプレックスを乗り越えた時の感動が大きいです。

 

 

「アンチヒーロータイプ」の場合、ちょっと複雑です。

123456全てを描写するのですが、

12345は過去のものとして表現します。

 

物語の始まりは6からです。

 

3のときに、歪んだ救われ方をしたり、救われなかったりします。

誰の助けも得られなかったり、歪んだ思想の人間に救われます。

 

そして、4のフラストレーションのほとんどが、最後に怒りになります。

 

アンチヒーローというキャラ属性は、理由は様々ですが、

心に封印をしている場合が多いです。

 

人は、悔しいときや、悲しいとき、苦しいとき、

負の感情が高ぶるときがあります。

 

その負の感情を押さえつけられたり、涙を流せなかったりしたとき、

負の感情はどうなるのでしょう?

 

怒りとして表現されるのです。

 

怒りは、負の感情を発散できないとき、涙を流せないときに発生するのです。

 

歪んでいる人間は、なぜ歪むのかというと、心に封印をされたから歪むのです。

 

涙を流したくても流せない。

流しても、それを受け止めてくれる人がいないときに、

人は歪んでしまうのです。

 

そして、5の、人生への影響です。

 

これは、またしても歪んだ形で現れます。

「コンプレックスが人生にどのような好影響を与えたか」と書いてありますが、

アンチヒーローの場合、物語序盤では、影響にするのがいいでしょう。

 

もちろん物語が進むにつれて、

やっぱり好影響だったと思える物語が望ましいです。

 

 

(例)

物語序盤「コンプレックスを持っていたせいで、

自分の敵と判断した人間はためらいなく殺すことができる。そのせいで、敵ばかり」

 

物語終盤「敵を殺すことが、結果的にある街の平和に貢献した」

などです。

 

 

アンチヒーロータイプの主人公は、幸せになるのが苦手な場合が多いです。

ですので、物語終盤で脇役に幸せを教えてもらいましょう。

 

6の「コンプレックスがあったからこそ手に入れた人生」と

3の「コンプレックスからどう救われるか」が物語の最後で、好転するのです。

 

 

 

書くべきキャラクターが決まったら?

 

「このキャラクターで行こう!」と決まったら、

やっておくべきことがあります。

 

 

それは追体験です。

 

キャラクターの人生を自分で追体験するのです。

 

自分がキャラクターになったつもりで、キャラクターの人生を生きましょう。

 

そして、楽しい時は、喜び、悲しい時は、涙を流しましょう。

 

キャラクターと一心同体になり、その人生を自分の物のように感じとる。

そうすれば、あなたの中で、キャラクターが本物の人格を持ちます。

 

これは、本当に涙が出るくらいやると効果的です。

(周りの人に変な目で見られるので、一人の時にやった方がいいです)

 

 

キャラクターを作ることは、人間を一人作ることと同じです。

中途半端に作ってはいけません。

 

キャラクターは物語の中だけで生きているのではありません。

 

物語に至るまでの人生を歩んでいますし、物語が終わっても人生が続くのです。