ある程度映画や漫画、ドラマや小説を経験している人は、
悪役が主人公並みに重要だと分かっています。
しかし、どうしても魅力的な悪役が作れないという人は少なからずいます。
主人公にだけ力を入れていると、どうしても世界観が狭くなりがちだし、
偏った視点からでしか物語が進みません。
作者によっては偏見を持ったまま物語を作って、読者から反感を買うこともあります。
悪役を魅力的にするという事は、世界を偏った視点では無く、
あらゆる方向から世界を見る事に繋がり、考え方の違うあらゆる読者を楽しませる事にも繋がります。
悪役の方が人気が出るなんてしょっちゅうです。
私はいつも悪役(特に悪いお姉さん)が好きになってしまいます。
悪役を魅力的にするという事は、物語に広がりと深みを持たせる事なのです。
そしてあらゆる性癖をくすぐることにもつながるのです。
悪役を魅力的にする方法。
まず、あなたが全力で作った主人公を思い浮かべてください。
とても魅力的で物語に欠かせないキャラクターにしたはずです。
では、そのキャラクターを悪役にしてみて下さい。
「え? 俺の主人公は、人間を命がけで助けるヒーローだよ?! 悪役には出来ないよー!」
なんて思うかもしれません。
でも、相手がこう↓ならどうでしょう?
「俺は予知能力があり、俺が殺してる人間は、将来殺人鬼になる人間なんだ!
今殺さないと将来何百人も殺されるぞ!」
映画に似てる設定ですが「人間を命がけで助けるヒーロー」を敵にすることができました。
このようにすれば、どんなキャラクターも、敵に出来るのです。
で、この予知能力がある人を主人公にすれば、敵は今は善人なわけですから、
すっげえ困難と障害が待ち受けているわけです。
私財をなげうって他国の難民に寄付する富豪も
「難民を助けるくらいなら、自国のホームレスを助けろよ!」という敵がいるでしょう。
お金を取らずに患者を治療する医者も、
家族は「ちゃんとお金とって子供を養えよ!」と思っているかもしれません。
人を助けるスーパーヒーローも、女にモテモテだったら私の敵ですw。
逆に、悪役を魅力的にできる人なら、悪役を主人公にすれば、魅力的な主人公にできるわけです。
毒薬を開発して大量殺戮をする科学者も、敵国から見れば救世主です。
人を実験台にして殺しまくる医者も、それによって特効薬ができれば、病気の人にとっては神です。
詐欺をして金を稼ぐ人間も「親に教わったのは詐欺だけだ! コレしか生き方をしらないんだ!」と
いえば、読者の同情を買えます。
小さな子に手を出すロリコンも「この子は将来、超美人になるんだ!だから今のうちに手なづけておくのさ!」
といえば……犯罪だよ!!
そういうわけで
どんな人でも、頑張れば頑張るほど、誰かの敵になるのです!
世界中の人間、全てが正義
心理学で証明された事実に、
「全ての人間は、自分が正しいと思っている」
というのがあります。
「いやいや、悪い事してるって自覚してるやつもいるじゃん」
と思うかもしれませんが、それは法律を破ってるっていう自覚があるだけで、
本人は悪い事だと思ってません。
もしくは「自分がこうなったのは、しょうがない事」と思ってます。
物語を作る側に必要な視点
物語を作る人は、これは正義、これは悪と分けるのではなく。
全ての事が「悪であり正義である」という視点を持つ事が大事なのです。
まとめ
全力で作った主人公を悪役にしてみる。
そうすると、悪役になった主人公に対抗する主人公の動機もしっかり考えられる。
全ての事柄は悪であり正義である、という視点を持つ。