この記事に書いてあること
- 客観的視点とは?
- 客観的に見れない理由と対処法
- 推敲に時間を取られすぎない方法
- 大事なのは客観的視点ではない?!
自分の作品を客観的に見る事は重要です。
自分では、理解できると思っている文章でも、客観的に見たら、わけが分からないという事は多々あります。
では、客観的とはどういう事なのでしょうか?
客観的=他人の視点 ではない?
きゃっかん‐てき〔キヤククワン‐〕【客観的】
[形動]
1 主観または主体を離れて独立に存在するさま。⇔主観的。
2 特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま。「客観的な意見」「客観的に描写する」⇔主観的。
出典元
コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%AE%A2%E8%A6%B3%E7%9A%84-476209
この文からわかるように、客観的とは、他人の視点ではなく「誰からみても、変わる事のない事実」という意味です。
例
主観的な意見
- 面白い作品。絵が好き。キャラがカッコいい。
客観的な事実
- 100万部売れた。人気投票一位獲得。アニメ化決定!
客観的に「つまらない」という意見は、ありえません。
しかし「100人中50人がつまらないと言った作品」という事実はあります。
つまり、客観的な視点とは、感情の介入しない事実なのです。
自分の作品を、客観的に見れない理由と対処法
まず最初に断っておきたいのは、「100%他人視点」で自分の作品を見る方法は無い、ということです。
他人に読んでもらうしかありません。
理由1.作品に思い入れがある。
誰でも、苦労して作った作品は大切です。
それを客観的に見て、批判したり、されたりするのはきついものです。
客観的な事実だとしても、否定されたら落ち込みますし、自信を失ってしまったりもします。
対処法
普段から、自分を客観的に見る訓練をする。
楽しい、悲しい、ムカつく!などの感情を感じた時に、イメージの中で、一旦その感情を遠くに追いやり、
それを俯瞰で見ます。
「自分は、こういう事が楽しいんだな〜」
「俺はこんな事で悲しんでるのか〜」
「私はこういう事で怒りを感じてるのか」
というように、
感情の波に溺れるのではなく、感情の波に溺れている自分を観察するのです。
この訓練をすると、自分の感情をコントロールしやすくなり、作品に対する愛をひとまず放置し
「ここが駄目」「ここは良い」と無感情に評価する事が出来るようになります。
映画を見る時にも、ただ楽しむのではなく
「ストーリー構成の通りに進んでるな」とか「このキャラクター要らなくね?」
「ここで、キャラクターに対して共感をさせてるんだな」
など、分析しながら見る事も、物語を客観的に見る訓練になります。
ただし、純粋に映画を楽しめなくなるので、映画を楽しんだ上で、帰ってから内容を思い出し、分析する事をお勧めします。
理由2.
仕上がる前に何度も推敲してるので、作品を読まなくても、作品の内容がわかってしまう。
読まなくても作品の内容が理解できるので、作品の内容が、ちゃんと他人に伝わるか、分からなくなっている場合があります。
もちろん、この場合は他人に読んでもらうのが一番ですが、それができない場合の対処法を書いていきます。
対処法1
推敲せずに書ききる(早く書く方法にもなります)
物語の区切りまで書くと決めたら、それまで推敲は絶対にしないと決めます。
参考書も見ず、資料もみません。
スティーブン・キングも、書き終えるまで参考書や資料は見るなと言ってますし、朝に執筆して、改訂作業は夜やります。
そうする事によって、スピードが出ますし、推敲していないので、欠点があって当然と思うことが出来ます。
物語の内容を、必要以上に覚える事もありませんし、執筆時と推敲時の間が、自然と空くので、客観視しやすくなります。
対処法2
見る媒体を変える
パソコンで書いているのであれば、投稿サイトにアップして、スマホで見るだけでも、他人視点に近づきます。
絵であれば、写真に撮って見ることも有効です。
私の場合、自分で描いた絵を、異常に下手に感じる心の病に悩まされてました。しかし、Pixivにアップして、大量の作品の中で見ると「上手では無いけど、下手でもないな」と、少しだけ心が回復した記憶があります。
対処法3
時間をおいてから見る
かなり有名な方法なので、書く必要がなさそうですが、時間が経つことにより、
思い入れと作品の記憶が薄まり、客観的に見れるようになります。
スティーブン・キングは、六週間ほっておいてから、見直すようです。気長ですねw
理由3
そもそも、客観的に見るだけの知識がない。
絵であれば、人間の正しい骨格を知っていなければ、骨格が正しいかどうか分かりません。
文章であれば、理想的な表現方法を知らなければ、客観的に正しいか分かりません。
ストーリーの基本構造を知っていなければ、ストーリーの流れが、基本に沿ってるかはわかりません。
知識が無いだけであれば、他の作品を読んだり、参考書を読む事で学習できます。
大事なのは、客観的な視点では無い?!
ここまで、自分の作品を客観的に見る方法を書いておいてなんですが、大切なのは客観的に見る事ではありません。
大切なのは、自分の作品が理想に近づいているかです。
マンガ家志望の方が、よくやる方法ですが、
自分の原稿と、目標とする漫画雑誌を並べて見るのです。
自分の原稿が、この雑誌に載っていたらどうか?
という検査です。
大抵は「うわ!恥ずかしい!俺の絵は雑誌に載せられない!」となります。
「結構いけんじゃね?」という人は極々稀です。
ここで確認して欲しいのは、理想と自分との差です。
理想の自分と、今の自分の違いをはっきり感じる事によって、何を努力すべきかを、理解するのが目的です。
客観的にみて、優れているようになりたい。
他人にすごいと言われたい。
それも良いのですが、結局は、理想とする自分をはっきりと持ち、それに向かって努力する。
それが、一番効果的なのです。
小説家だとしたら、理想とする作品の文章や、ストーリー構成、表現方法、執筆スタイル。
理想をはっきりと具体的に決めて、それに向かって突き進むことが最善です。